Bonġu!マルタに4年在住しているくっきーです。
長期海外滞在の際、気になるのが歯の治療。海外は日本よりも医療費が高いと聞くけど、歯医者さんはどうなの?と気になる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、僕が実際にマルタ共和国の歯医者さんに通った体験談を皆さんにお伝えしたいと思います。
この記事を読めば分かること
- 治療の際保険は使えるのか
- マルタで歯の治療をする際必要な費用
- マルタの歯科治療の様子や技術
- マルタで治療するのと日本で治療するのではどちらの方がお得か
それでは早速順番に見ていきましょう!
マルタには健康保険制度がない
国にもよるかと思いますが、実は日本のような健康保険制度は海外では珍しく、マルタでは日本でお馴染みの健康保険証を見かけることはありません。
そのため、歯科治療も当然全額実費での負担となるためどうしても日本より高額になってしまいます。
海外旅行保険は適用される?
海外旅行保険が歯科治療に適用されるかは、加入している保険やプランによって異なります。
僕の知人が加入しているマルタの保険(日本の制度で例えると生命保険)では毎年最大300ユーロ分一定の条件・提携先の病院での診断時に治療費が負担されるらしく、こちらのクリニックでの歯科治療も保険が下りるとのことでした。
いずれにせよ、これから海外に長期で留学や滞在を予定されている方には日本で健康保険を使えるうちに虫歯を全て治療しておくことをおすすめします。
多くの現地日本人がおすすめする歯科クリニック
今回は、友人に勧められてこちらの「Drs Demajo Dental & Implantology Clinics Est1919」を訪れました。
僕はTa’ Xbiex(タシュビシュ)というエリアのクリニックに行ってきましたが、Valletta(ヴァレッタ)やほかの地区にも同じ系列のクリニックがあるようです。
通院中には見かけませんでしたが、僕の友人の他にも何名かこちらのクリニックに通っている日本人の方がいるとのことでした。
※僕自身はサービスや対応に非常に満足しましたが、捉え方は人それぞれかと思いますのでクリニックの評価はあくまでも参考までにされてください。
クリニックの様子
クリニックの中はとても清潔感があり、内装も比較的新しく感じられました。
診察室内も綺麗かつ、一部屋ずつ個室になっているのでプライベートもしっかり守られています。
なおクリニック内では必ずマスクを着用するよう声をかけられますが、受付の際無料でもらえるので安心してくださいね。
一点、マルタらしいなと感じたのはBGMがアゲアゲのクラブソング系ばかりだったこと(笑)
病院特有のリラクゼーション系ソングは一切掛かっていませんでしたが、それでもクリニックの様子は想像以上に高評価でした。
予約の仕方
予約なしで直接向かうと、診察を受けられないことが多いかと思いますので必ず予約をしておくようにしましょう。
クリニックへの予約は、Googleマップに記載の電話番号からでOKですが、電話での英会話に自信がない方は直接クリニックの受付に行ってみるのもアリだと思います。
なお、予約をした場合であってもマルタの医療機関は基本的に非常に長い時間待たされます(こちらのクリニックでは最長30分、最低10分の待ち時間だったので個人的にはマシな方だと感じました)。
受診日の予約前後の時間帯にはスケジュールに余裕を持たせるようにしましょう。
初診の際必要・持っていくと便利なもの
初診の際には、最低限「身分証明書(パスポートまたはIDカード)」が必要となります。
さらに、①飲料水②ハンカチ・またはティッシュを持っていくと便利です。
理由としては、
- 診察台の横に設置されている口をすすぐ用のお水に洗浄剤が含まれている
→すすいでも口が泡っぽくなるので、診察終了後お水が飲みたくなりました。
なお、クリニックにはちゃんとトイレがあるので帰る前にそちらに寄ってすすぐのでもOKだと思います。 - 治療時、日本の歯医者さんよりも水が飛ぶことがある
→気兼ねなく飛ばすためか、治療時にはメガネ型のゴーグルを着用するよう声を掛けてくれます(笑)
首元にはペーパーエプロンをつけてくれますが、診察後そのまま出掛ける予定がある方は拭き取れるものがあると便利です。
治療の感想
今回僕は3回に分けて「クリーニング」「虫歯チェック」「虫歯治療」を行いました。
3年ぶりの歯医者さんだったのでそもそも日本の歯科治療がどんな様子だったかうろ覚えなのですが、海外(マルタ)だからといって特段気になる点はありませんでした(先述したように、海外ならではの豪快な一面はありましたが笑)。
日本で元々通っていたクリニックと同様、クリーニング時には次にどんなことをするのかといった手順や、虫歯チェックの際には一緒に撮影したレントゲンを見ながら「このような治療が必要~」としっかり説明をしてくれながら治療を進めてくれたのでとても安心感がありました。
海外の歯科治療は無痛が基本
海外では基本的に無痛治療が一般的であるため、虫歯の治療を行う前に麻酔を打つかどうか聞かれます。
もちろん別料金は掛かってしまいますが、歯科治療時に痛みを伴うのが嫌な方は麻酔をうってもらうと良いでしょう。
ちなみに知人のいわく、麻酔に掛かる費用は10〜20ユーロ程度だったそうです(※一か所の費用なのか、複数なのかまでは分かりませんでした)。
インプラント治療も安心?
インプラント治療とは、虫歯や事故・先天性の疾患により歯がない方のための治療法の一つです。
入れ歯やブリッジと比較すると費用は高額となってしまいますが、一度埋め込むと自分の歯のように咀嚼することが可能となり、見た目的にも不自然さがないことから近年注目されています。
僕が通った「Drs Demajo Dental & Implantology Clinics」やその他歯科クリニックサイトを確認してみたところ、
(出典:Drs Demajo Dental & Implantology Clinics)
との記載がありました。
僕自身、インプラント治療の経験がないので技術面に関しては分かりかねますが、少なくとも素材面では安心できそうです。
治療にかかった費用
今回僕が支払った治療費は、以下の通りです。
- クリーニング:55ユーロ
- 虫歯チェック(レントゲン2か所):50ユーロ
- 虫歯治療(2か所、削り+詰め物)190ユーロ
全体的に日本よりもやはり高くは感じてしまいますよね…。
こちらのクリニックでは、設備の維持費として5ユーロをチャージされてしまうようで、マルタ人の同僚曰く治療費が高めだそうです。
地域によって費用が異なる?
何人かの友人に話しを聞いてみたところ、マルタの歯科クリニックの相場は地域によって若干異なる印象を受けました。
友人たちの話しからクリーニング代をまとめてみると、ザックリとした感覚ではありますが
- マルタ島都市部(St’ Julian ~ Valletta)平均50ユーロ
- マルタ島中心部とそれ以外→40~45ユーロ
- ゴゾ島→30ユーロ程度
とバラつきがあるようです。
もちろんクリニックによっても費用は異なるかと思いますので、予約の際ご自身で確認されるようにしてください。
日本とマルタ、どちらで治療する方がお得か
結論からお伝えすると、自費治療になってしまったとしても日本の歯科クリニックに行く方が断然お得だと思います。
クリーニング代一つをとっても僕が元々日本で通っていた歯科クリニックは自費治療で5000円程度だった記憶がありますので、マルタでのクリーニング代が50ユーロ(2023年10月現在のレートで7950円程度)だと考えるとマルタの方が割高になってしまいます。
滞在期間が半年以内、または一年弱に一回程度の頻度で日本に帰国される方は日本のクリニックで治療を受けることをおすすめします。
長期滞在の方は上手く使い分けるのも◎
僕のように日本に帰る頻度が少なかったり、貴重な帰国中に歯科治療のために時間を費やすのがもったいない+日本帰国中に治療を終えられるか不安な方は、多少費用がかさんでしまっても半年に一度程度クリーニングをしに訪れる方が無難だと思います。
最後に
今回の記事ではマルタの歯科クリニックについての実体験をまとめてみました。
技術面でもサービス面でも個人的には満足のいくものでしたが、どうしても日本と比較すると高くついてしまったことが今回の経験で一番学びになった点でした。
普段あまり意識する機会がないかもしれませんが、虫歯は一度出来てしまうと治療にお金も時間もかかり厄介なもの。
予防歯科としてこまめな歯磨きや歯間フロス、糖分を過剰摂取しないよう注意するなど、毎日できる範囲で自分の歯をケアしてみてくださいね。